2023年9月7日木曜日

C# メール送信プログラムの「SSPIへの呼び出しに失敗しました。内部例外を参照してください。」エラー対応

 数年前に作ったメール送信機能のあるプログラムを作り変えようとしたら、「SSPIへの呼び出しに失敗しました。内部例外を参照してください。」エラーが発生した。

以前作ったとき、.NETのSmtpClientがexplisit SSLのみの対応の、私が使っているjcomのサーバのimplicit SSLで発生が発生したため、そのとき見つけたAegisImplicitMailを利用していた。

今回のエラーはSmtpSocketConnection.Openメソッドの中の

    sslStream.AuthenticateAsClient(host)

で発生した。

検索してみたところ、参考になる記述を発見。

 

PowershellでSSL証明書情報取得時にTLSエラーにハマッた件    https://qiita.com/pizza_slice/items/00d00fd900bb3f0fd697

Windows Server 2016

Window 10 21H2 だったら正常にコマンドが通る。
恐らくこれもOS依存のTLSのバージョンの問題。

# 下記を参考にしてオーバーロード
# AuthenticateAsClient(String, X509CertificateCollection, SslProtocols, Boolean)
# Tls12:3072 TLS1.2セキュリティ プロトコルを指定します$stream.AuthenticateAsClient($commonName, $null, "3072", $false)


同じ理由かもしれないと、AuthenticateAsClientをこれに対応するメソッドに置き換えてみる。

    sslStream.AuthenticateAsClient(host, null, (SslProtocols)3072, false);

するとエラーが発生しなくなった。
(SslProtocols)3072 としたのは、プロジェクトの.NETのバージョンのせいかと思うが、SslProtocols 列挙型にTls12が含まれていなかったため、強引にそのInt値をcastしたからです。
列挙型の名前とint値の対照は次のページを参照してください。

SslProtocols 列挙型

追記

エラーが発生したのは.NET4.0でした。4.5(以上)に変更するとSslProtocols .Tls12が定義されており、上記のintからのcastは不要になります。

なお、このプロジェクトで使用しているAegisImplicitMailの.NETバージョンの関係で、4.5より新しいバージョンでは試していません。SslProtocols .Defaultの値にTls12が含まれていれば、AuthenticateAsClient(host)でもエラーが発生しなくなるでしょう。




2023年9月4日月曜日

VB Excelのシートを名前で探す方法 高速版

VBAでExcelのシートを名前で探す方法を調べると、たいていループで名前が一致するものを探す方法が紹介されています。

たとえばこんなコードです。

    Sub Sample1(name As String)
      For i = 1 to Worksheets.Count
            if Worksheets(i).name = name Then
                Debug.Print Worksheets.Index
                Exit For
            End If
        Next
    End Sub

一回だけ実行する場合は十分高速で問題ないでしょう。しかしループの中で使用すると繰り返し実行されるため、場合によってはかなり時間がかかります。 かつ結果"シート名"と一致するものがない場合はシート数Xループ回数実行され、無駄に時間を浪費します。

上記の例ではWorksheets(i)と引数にindexを使用しています。またiの範囲がCountの範囲内なので、Worksheet(i)がエラーを起こすことはありません。

では、Worksheetsは引数にシート名を使用することもできるので、次のようなコードを試してみましょう。

    Dim sheet As Worksheet
    Set sheet = Worksheets("シート名" )

"シート名"のWorksheetが存在する場合は問題ないのですが、存在しない場合は「インデックスが有効範囲にありません。」というエラーが発生します。Worksheet(i)でもiが有効範囲外であれば同じエラーが発生しますので、内部では同様のループ処理が行われていることが想像できます。

今度は、つぎのような方法を試してみます。

    Sub Sample2(name As String)
        On Error GoTo NotFound
        Debug.Print Worksheets(name).Index
    NotFound:
    End Sub

これでエラーが回避でき、コードもすっきりしているかと思います。面白いことに、計測してみると単純ループの55~60%程度の処理速度となります。75~80%のスピードアッ!!とも言えます。内部的にはループと同等のことを行っていると思いますが、コンパイル済みかどうかの差が大きいのでしょう。

ループによる実行回数が数千回になるような場合は、数単位での差になるのでバカにできません。

このひとつ前のブログ『InternetExplorer.getElementById 「オブジェクトが必要です」エラー対策』で使用した「On Error Resume Next」も試してみました。

    Sub Sample3name As String)
        Dim sheet As Worksheet
        On Error Resume Next
        Set sheet = Worksheets(name)
        If Not sheet Is Nothing Then
            Debug.Print Worksheets(name).Index
        End If
    End Sub

これは処理速度的にはSample2と同等でした。この例の場合ではSample2の方がコード的にもすっきりしていますが、使用する場面では使い道があるかもしれせん。

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おそらくほとんどの場合は上記の方法で十分高速になると思いますが、100シート超えで千回超えの検索をするような場合にはDictionaryを使うとさらに高速になります。シート数が少ないとかえって逆効果になることもあるでしょう。

Dim SheetNameDict As Object

Rem シート名がnameのWorksheetを返す。
Function GetSheetByName(name As Variant)
    Rem SheetNameDict初期化。SheetNameDict未設定の場合、
    Rem SheetNameDictに全ワークシートのKey=name, Value = sheetをセット。
    If SheetNameDict Is Nothing Then
         Set SheetNameDict = CreateObject("Scripting.Dictionary")
         For Each sheet In Worksheets
            Call SheetNameDict.Add(sheet.name, sheet)
         Next sheet
    End If

    If SheetNameDict.Exists(name) Then
        Set GetSheetByName = SheetNameDict(name)
    Else
        On Error GoTo NotFound
        Dim sheet As Worksheet
        Set sheet = Sheets(name)
        Set GetSheetByName = sheet
        Call SheetNameDict.Add(name, sheet)
        Exit Function
NotFound:
        Set GetSheetByName = Nothing
    End If
End Function

使用例
Dim sheet as Worksheet
Set sheet = GetSheetByName("someSheetName")
if Not sheet is Nothing then ....

なお、このサンプルの場合は途中でSheetが削除されるとその後存在しないSheetを返すことになるので、Sheetを削除すると同時にSheetNameDict の項目も削除します。

Call SheetNameDict.Remove(name)









2023年8月18日金曜日

VB InternetExplorer.getElementById 「オブジェクトが必要です」エラー対策

VB InternetExplorer.getElementById 「オブジェクトが必要です」エラー対策

VBの InternetExplorer.getElementById は該当する要素がない場合に「オブジェクトが必要です」が発生する。これの扱いに困ったが、次の要領で対処できた。

まずは、次のようなコードでエラーが発生する。

    Dim elm As IHTMLElement
    Set elm = ie.document.getElementById("someID")

要素がない場合にgetElementById はNullを返す。
Nullを代入できるのはVariant型だけなので、IHTMLElementとかObjectで宣言した変数に代入しようとすると「オブジェクトが必要です」が発生する。

そこで、次のようなコードにしてみる。

    Dim elm As Variant
    Set elm = ie.document.getElementById("someID")

こんどは「型が一致しません」エラーが発生する。
これはSetではNullをObjectとして扱おうとするため発生する。

それでは、これではどうだろう。

    Dim elm As Variant
    elm = ie.document.getElementById("someID")
    if IsNull(elm) Then Exit Sub

    Dim divs as IHTMLElementCollection
    Set divs = elm .getElementsByTagName("div")

Nullのときの処理はうまくいくが、今度はelmがObjectとして設定されていないため、後続のコードで「オブジェクトが必要です」エラーが発生する。

そこで次のように変更し、エラー発生時に処理を継続してみた。

    On Error Resume Next
    Set elm = ie.document.getElementById("someID")
    If IsNull(elm) Then Exit Sub

    Set divs = someID.getElementsByTagName("div")

一応うまく処理できるようになったが、ちょっとおかしい。
IsNull(elm)がTrueにならない。この場合、elmがEmpty値になっている。
Setで代入するので、elmはObjectでなければならず、Nullにはならないということですね。
そのまま後続処理に進んでも上記のコードではエラーは発生しないが、具合が悪い場合もあるかもしれない。

そこで、IFの判別を次のようにすると有効になる。

    On Error Resume Next
    Dim elm As Object, divs as IHTMLElementCollection
    elm = ie.document.getElementById("someID")
    If elm Is Nothing Then Exit Sub 

On Error Resume Nextとした結果 elm がEmpty値になるため、elmをObjectで宣言している。

次の式でも判別できる。

    If IsEmpty(elm) Then Exit Sub

NothingはObjectとして空の状態、EmptyはVariant型として空の状態ということですね。Set式のあとなので実際にはObjectとして扱ってよいと思いますが、Dimで宣言した型に合わせるのがコード的には一貫性があると言えるでしょう。

実際にはNullになることはないが、次の方がより安全かもしれない。

    If IsNullOrEmpty(elm) Then Exit Sub

なお、

    On Error Resume Next

でエラーを無視するようにしたので、前後の処理の関係ではこのあとで再度On Errorを設定しなおす必要があるでしょう。