以下の記述はSafari/iOSで試した結果のもので、Safari/デスクトップでは若干異なる場合があるようです。また他のブラウザではチェックしていません。
いったん有効にしたCache Manifestを無効にする場合、単純にhtmlタグから宣言を削除しただけではうまくいきません。
既にキャッシュが有効になっている場合、htmlタグからmanifest宣言を削除してもその変更はブラウザに伝わりません。manifestファイルも更新する必要があります。
こうすると一見manifestは使われないように見えますが、ブラウザはその後もmanifestファイルをチェックしつづけ、サーバーにmanifestファイルが残っていると変更なしとなり、キャッシュを使い続けます。
こうなってからサーバーのmanifestファイルを削除しても実は手遅れで、Net不通状態と判断されるためか、キャッシュが使われ続けます。
こうして、リソースの変更が反映しないWebページになってしまうことがあります。
この動作はバグとも言えそうなので、今後変更される可能性があるでしょう。
次の手順で行うと、manifestファイルを参照しなくなります。
- サーバーからmanifestファイルを削除またはりネーム
- ブラウザからアクセス(いったんFile Not Foundの状態を作る)
- htmlタグからmanifest宣言を削除
開発環境では上記手順を実行することが可能ですが、実稼働環境ではブラウザからのアクセスを確認することが困難です。次善の策として、次のような手順が考えられます。
- htmlタグのmanifest宣言のファイル名を存在しないファイル名に変更し、manifestファイルを更新する。
<html manifest="a.manifest">を<html manifest="-.manifest">のように変更します。
拡張子はMIME TYPEに登録されているものにしておきます。さもないと、再度manifestを有効にしたいときに苦労します。Safari/iOSではキャッシュデータの削除を行わないと回復できませんでした。 - このまましばらく運用し、対象ブラウザが全て一度は"-.manifest"にアクセスしたと判断できたら、htmlタグからmanifest宣言を削除、manifestファイルを更新する。
manifest="-"へのアクセスの負荷は軽いので、1のままでも実害はほとんどないでしょう。再度Cacheを有効にしたい場合はmanifest宣言のファイル名を元に戻します。
Safari/iOSからIISにアクセスしたときのログ
設定
a.manifestファイルでindex.htmlとXmlReq.jsをキャッシュ。
NETWORK:*を設定し、XMLHttpRequestは常にNETWORKから取得。
acuse指示XMLHttpRequestでdata.txtにアクセス。
Cacheが有効な場合
manifestファイルのstatush304(Not Modified)
01:57:45 172.30.10.11 GET /a/a.manifest 304
01:57:45 172.30.10.11 GET /a/Resources/data.txt 200
index.htmlのhtmlタグからmanifest宣言を削除
manifestが更新されていないのでキャッシュが使用される。
01:58:42 172.30.10.11 GET /a/a.manifest 304
01:58:42 172.30.10.11 GET /a/Resources/data.txt 200
a.manifest更新
キャッシュが更新される。
01:59:30 172.30.10.11 GET /a/a.manifest 200
01:59:30 172.30.10.11 GET /a/Resources/data.txt 200
01:59:30 172.30.10.11 GET /a/index.html 200
01:59:30 172.30.10.11 GET /a/Resources/XmlReq.js 304
01:59:30 172.30.10.11 GET /a/index.html 200
再度アクセス
indexから宣言が削除されているがmanifest参照は有効なまま。index.html、XmlReq.jsはキャッシュが使用される。
01:59:37 172.30.10.11 GET /a/a.manifest 304
01:59:37 172.30.10.11 GET /a/Resources/data.txt 200
XMLHttpRequestでdata.txtにアクセス
既にmanifestチェック済みなのでdata.txtのみアクセスされる。
02:44:27 172.30.10.11 GET /a/Resources/data.txt 200
index.htmlのmanifest宣言復活、a.manifest更新
02:49:18 172.30.10.11 GET /a/a.manifest 200
02:49:18 172.30.10.11 GET /a/Resources/data.txt 200
02:49:18 172.30.10.11 GET /a/index.html 200
02:49:18 172.30.10.11 GET /a/Resources/XmlReq.js 304
02:49:18 172.30.10.11 GET /a/index.html 200
a.manifest削除
manifestファイルのstatusは404(Not Found)となる。
この時点ではindex.html、XmlReq.jsはキャッシュが使用される。
02:50:32 172.30.10.11 GET /a/a.manifest 404
02:50:32 172.30.10.11 GET /a/Resources/data.txt 200
index.htmlからmanifest宣言を削除
manifest参照は行われず、index.html、XmlReq.jsへのアクセス発生。
02:53:37 172.30.10.11 GET /a/index.html 200
02:53:37 172.30.10.11 GET /a/Resources/XmlReq.js 304
02:53:39 172.30.10.11 GET /a/Resources/data.txt 200
manifestが有効な状態で、index.htmlのmanifest宣言のファイル名を存在しないもの("-.manifest")に変更、manifestファイル更新
キャッシュが更新される。
02:58:48 172.30.10.11 GET /a/a.manifest 200
02:58:48 172.30.10.11 GET /a/Resources/data.txt 200
02:58:48 172.30.10.11 GET /a/index.html 200
02:58:48 172.30.10.11 GET /a/Resources/XmlReq.js 304
02:58:48 172.30.10.11 GET /a/index.html 200
再度アクセス
"-.manifest"は存在しないのでstatusは404となる。一度もmanifestファイルが読まれていない状態のため、キャッシュは無効になり、index.html、XmlReq.jsへのアクセスが発生する。
03:00:41 172.30.10.11 GET /a/index.html 304
03:00:41 172.30.10.11 GET /a/- 404
03:00:41 172.30.10.11 GET /a/Resources/XmlReq.js 304
03:00:41 172.30.10.11 GET /a/Resources/data.txt 304
index.htmlのmanifest宣言を削除
manifest参照は行われず、index.html、XmlReq.jsへのアクセス発生。
03:03:24 172.30.10.11 GET /a/index.html 200
03:03:24 172.30.10.11 GET /a/Resources/XmlReq.js 304
03:03:24 172.30.10.11 GET /a/Resources/data.txt 200
Cache Manifestを無効にする方法
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